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ウェブサイトビルダーが API キーを預かっているとき:STUDIO の不正アクセス

公開 2026-10-19

2026 年 10 月 16 日、日本で広く使われているノーコードのウェブサイトビルダー STUDIO(studio.design)が、不正アクセスに関するお知らせを公表しました(10 月 18 日更新)。第三者が STUDIO の機能の脆弱性を突き、同社のクラウド環境にアクセスしたというものです。現時点で確認されているアクセス期間は 2026 年 9 月 30 日から 10 月 1 日(日本時間)です。STUDIO は 10 月 13 日に事態を把握し、13〜14 日に侵入経路を塞ぎました。データが実際に持ち出されたかは確認されていませんが、STUDIO は持ち出されたものとして対応を進めており、個人情報保護委員会にも報告しています。

ITmedia の報道によると、STUDIO のユーザは 90 万人を超えます。多くの人はこれをパスワードの漏えいと受け止めるでしょう。しかし多くのサイトにとって、より大きな問題は API キーです。

漏えいした可能性があるもの

暗号化して保存されていたものもありますが、復号に必要な鍵にもアクセスされていたため、読み取られた可能性があると STUDIO は説明しています。STUDIO は 10 月 14 日に Google スプレッドシート連携のキーを更新し、17 日にフォーム送信内容と API キーの暗号鍵を入れ替えました。決済情報は対象に含まれていません。

パスワードの漏えいより深刻な理由

ほかのサービスからコンテンツを取り込むウェブサイトビルダーは、そのサービスのキーを預かる必要があります。STUDIO のサイトが Data Connect を通じて microCMS から記事を読み込んだり、OpenAI を呼び出したり、Google と連携したりしていれば、それぞれのサービスのキーが STUDIO の中にあったことになります。そのコピーを持つ人は、STUDIO を経由せずに、そのサービスへ直接キーを使えます。

STUDIO のパスワードを変えても、これらのキーには何の効果もありません。キーは 1 つずつ、それぞれのベンダー側でローテーションする必要があります。ベンダーで新しいキーを発行し、STUDIO に貼り付け、古いキーを無効にします。しかも古いキーが STUDIO の中だけにあることはまれです。同じ値が .env ファイルやサーバ、誰かのノートパソコン上のスクリプトにも入っていることがよくあります。古いキーを無効にする前にそのすべてを新しいキーに替えておかないと、別のところが動かなくなります。

今やるべきこと

STUDIO は利用者に次の対応を求めています。多くのサイトでは、3 つ目が作業の中心になります。

  1. メールアドレスでサインインしている場合は、STUDIO のパスワードを変更し、同じパスワードを使っているほかのサービスでも変更します。
  2. Live Preview の URL を削除し、発行し直します。
  3. STUDIO に保存した外部サービスの API キーとトークンをすべてローテーションします。ベンダーで新しいキーを発行して STUDIO に貼り付け、同じキーを使うほかの場所もすべて更新してから、古いキーを無効にします。各ベンダーのログと請求を 9 月 30 日までさかのぼり、身に覚えのない利用がないか確認します。
  4. パスワード保護ページのパスワードを変更します。
  5. Google スプレッドシート:同期を停止(Stop Sync)し、Google アカウントの連携アプリから STUDIO を削除してから、連携を設定し直します。
  6. カスタムプロキシ:新しいプロキシキーに切り替え、10 月 16 日のメールから 30 日以内に STUDIO へ連絡します。
  7. Webhook 通知先の URL を変更します。
  8. STUDIO のパスワードを尋ねる連絡は、フィッシングとして扱います。

FrontierStack にできること

FrontierStack が STUDIO の中を変更することはできません。しかし次のアップデートからは、どのサイトが影響を受けるかを示し、対応が忘れられないようにします。

FrontierStack には STUDIO 専用のペインもあります。STUDIO の公開ステータスページ(Hosted Websites、Editor、Dashboard、Live Preview、Store)を認証情報なしで監視し、障害が起きるとアラートを出します。詳しくは STUDIO を Mac で をご覧ください。

KeyRotate にできること

KeyRotate は API キーを保管し、それぞれのキーをどのファイルやサーバが使っているかを把握しています。次の KeyRotate のアップデートでは、今回の侵害で浮かび上がった部分、つまり手作業でウェブサービスに貼り付けたキーにも対応します。

できないこともあります。どちらのアプリも STUDIO にキーを書き込むことはできず、その作業はご自身で行う必要があります。KeyRotate は、チェックを入れるまでどのキーが STUDIO にあったかを知りません。また、すべてのベンダーの API が新しいキーを発行できるわけではないため、ベンダーのコンソールでの作業が残る場合もあります。KeyRotate の機能もご覧ください。

ここから学べること

キーを貼り付けたサービスは、そのキーが漏れうる場所になります。次の侵害の被害を小さくするために、3 つの習慣をおすすめします。

関連記事(英語):STUDIO のユーザがほかより大きな被害を受けた理由(Matthew Ketchum、LinkedIn)、今回の侵害のまとめ(Substack)。

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