FrontierStack ユーザマニュアル マニュアル先頭
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第 I

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はじめに

FrontierStack とは何か、その考え方、そして Mac で動かすまで。

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はじめに

Apple が手放したサーバコントロールパネルを、1 台の Mac からフリート全体まで再構築。サーバを実際に把握し修正できる AI が舵を取ります。

Apple が macOS Server.app を終了したとき、Mac ユーザは Web サイトやサービスを手軽に運用する手段を失いました。FrontierStack はそれを取り戻し、さらにその先へ進みます。Apache・PHP・MySQL・PostgreSQL・Nginx をはじめ 1,000 を超えるサービスを、目の前の Mac でも、連携したすべてのサーバでも、インストール・制御・保護・監視します。そして、ツールを使う AI 管理者が舵を取ります。

本マニュアルはデスクトップアプリの完全リファレンスです。iPhone/iPad アプリについては別冊のモバイル版マニュアルを参照してください。まず本章を通してお読みください。その後は必要なパートへお進みください。

1.1FrontierStack とは

FrontierStack はネイティブの macOS アプリです — Web パネルでも、世話の焼けるコンテナでもありません。実際のマシン上の実サービスを、それぞれが標準で備えるツール(Homebrew フォーミュラ、launchd・systemd ユニット、Apache・Nginx の設定、証明書、ファイアウォール、SSH)を使って管理します。次の 3 つを同時に実現します。

  • コントロールパネル。検証・ライブ状態・ワンクリック修正付きで、サービスをインストール・起動・停止・設定 — 現代化した macOS Server の後継です。
  • 監視・通知システム。継続的なヘルススイープがサービス・サイト・証明書・ディスク・フリート全体を見守り、トラブルの最初の兆候を、選んだチャネルへのメッセージに変えます。
  • AI 管理者。あなたの構成を正確かつライブに把握する、ガードレール付きのツール使用アシスタント。何が壊れているか診断し、あなたが承認する修正案を提示し、ローカルでもフリート全体でも実行し、アプリをあなたの構成ぴったりに作り替えます。
スクリーンショット追加予定
図 1.1. FrontierStack のメインウィンドウ:左にサービスのサイドバー、中央にアクティブなペイン、ひと目で分かるライブ状態。撮影手順: いくつかのサービスを起動した状態で Local Health ペインを開き、サイドバーを展開して撮影

1.2AI ファーストの設計

多くのアプリはチャットボックスを横に付け足すだけです。FrontierStack は逆です。AI は、あなたが使うのと同じ操作を行う一級のオペレータです。AI は監査済みの固定されたツール(ログを読む・診断を実行する・サービスを再起動する・証明書を発行する・ファイルを書く)を通じてのみ動作するため、その行為はすべてあなたが手作業でできることであり、システムを変更する操作はすべて、実行前にあなたの承認のため提示されます。

本番サーバを任せられるだけの安全性を支えるのは、3 つの原則です。

  • 既定は読み取り専用。初期状態ではアシスタントは見るだけで触れません。変更とスクリプトは明示的なトグルで解除し、変更を伴う操作はすべて実行前に承認カードを表示します。
  • 秘密情報はモデルに届きません。パスワードや API トークンはローカルの .env ボールトに置きます。スクリプトは名前で参照し、アプリが実行時に(ローカルまたは SSH 経由で)実際の値を注入します。クラウドモデルが見るのは名前だけで、値は決して見ません。ログやファイルは送信前に秘密情報を伏せます。
  • AI は自前で。クラウドモデルでもローカルモデル(Ollama・LM Studio)でも接続できます。MCP 経由で自分のサブスクツール(Claude Code・Cursor)から動かせば、従量課金のトークン請求は一切ありません。
セキュリティAI 管理者、特権ヘルパー、すべてのリモート操作は、あなたが有効化するまでオフです。本マニュアルの内容はどれも勝手には起こりません。各機能はあなたが意図的に有効化するものです。完全な信頼モデルは第 13 章を参照してください。

1.3対象ユーザ

FrontierStack は、Mac でサーバを運用している(あるいは運用したい)すべての方に向いています。

  • MAMP や XAMPP ではなく、クリーンなローカルスタックを使いたい開発者。
  • POS・CRM・EC・メール・ヘルプデスクを Mac mini でセルフホストする小規模事業者。
  • 旧来の Xserve や Mac mini を macOS Server のままリモート管理で活かしたい管理者。
  • 従量課金の SaaS からセルフホストへ移行したい方、あるいは Mac・Linux・BSD・Raspberry Pi のフリートを 1 つの画面から運用したい方。

1.4主要な概念と用語

本マニュアル全体で繰り返し登場する用語を、ここで一度だけ紹介します。

用語意味
サービスFrontierStack がインストール・実行・監視できるもの — Apache、データベース、メールサーバ、コンテナ、ルータ連携など。一覧がカタログです(第 6 章)。
ペインサイドバーから開く、1 つのサービスやツールの画面。
ヘルパー毎回パスワードを求めずに管理操作を行う小さな特権ツール(SMAppService デーモン)。任意。初回起動時にインストールします。
ロケーションMac が今ネットワーク上のどこにいるか(自宅・オフィス・外出先)。ロケーションにより、アラートや到達性がネットワークを意識したものになります(第 8 章)。
連携サーバSSH で接続した別マシン。FrontierStack が診断やスクリプトを実行できます。それらの総体がフリートです。
AI 管理者組み込みのツール使用アシスタント。AI ハーネスとも呼びます。第 13 章で詳説します。
MCPModel Context Protocol — 外部の AI ツール(Claude Code・Cursor)が、同じガード付きツールを通じて FrontierStack を操作できる開かれたインターフェイス(第 14 章)。
秘密情報/ボールトローカルの .env ストアにある名前付きの資格情報。スクリプトは $NAME で参照し、値は Mac に留まります。

1.5本マニュアルの構成

マニュアルは作業の流れに沿っています。

  • パート I — はじめに:インストール、初回起動、インターフェイスの概観。
  • パート II — サービスの運用:Web スタック、データベース、全カタログ、サイトとドメイン。
  • パート III — フリート・ネットワーク・セキュリティ:サーバ連携、ネットワークと境界、堅牢化、監視とアラート。
  • パート IV — 自動化と AI:スクリプトとスケジュール、AI 管理者の全容、MCP、AI スタック。
  • パート V — ビジネスとリファレンス:業種別ソリューション、設定、ショートカット、ライセンス、トラブルシューティング。

まったく初めての方は、第 2 章「インストールと初回起動」へお進みください。AI だけを理解したい方は第 13 章へ進んでも構いませんが、そこでの安全モデルは上記の概念を前提とします。

FrontierStack ユーザマニュアル · バージョン 1.0.0 · 第 1